「何が起きるか分からない」ことは、それだけで恐怖になります。ここでは、入院から退院までに何が起きるのか、一般的な流れを見取り図としてお伝えします。実際の進み方は、週数や病院の方針によって変わります。詳しくは、入院前に病院からの説明を聞いてください。

全体の流れ(妊娠12週以降の場合)

  1. 入院
  2. 子宮の入り口をゆっくり広げるための処置(前日〜数日かけて)
  3. 陣痛を促す薬を使う処置
  4. 分娩
  5. 経過観察
  6. 退院

順番に見ていきます。

1. 入院

入院期間の目安は、処置の内容によって変わります。妊娠12週より前の場合は1日程度で退院できることが多いです。12週以降の場合、多くの病院では5日程度の入院期間を想定しています。ただし、経過が順調で本人が早期の退院を希望し、医師が了承すれば、分娩後1〜2日で退院できることもあります。

2〜3. 処置の準備と、陣痛を促す期間

子宮の入り口をゆっくり広げるための処置のあと、陣痛を促す薬を使う段階に進みます。子宮の入り口を広げる処置は、半日〜1日で十分に広がることが多いですが、週数や体の状態によっては、複数日かかることもあります。

進んでいく中で、破水や出血が起こることがあります(量には個人差があります)。陣痛による痛みも起こります。

無痛分娩(硬膜外麻酔)を選べる病院もあります。 すべての病院で対応しているわけではなく、追加費用がかかることが多いですが、処置の最初から最後まで無痛で行うことを明記している病院も実際にあります。痛みへの対応は病院によって差が大きいので、処置が始まる前に「無痛の対応はできますか」「痛みが強いときは、どう対応してもらえますか」と聞いておくと安心です。当日つらくなってから伝えるより、事前に分かっているほうが心の準備になります。

過去に帝王切開を経験している方も、多くの場合、経腟分娩(自然に近い形の分娩)を目指します。もう一度お腹を切ることより、体への負担が少ないためです。その場合、前回の傷口への負担を減らすため、通常よりも念入りに子宮の入り口を広げる処置を行います。

4. 分娩

分娩までにかかる時間は、分娩回数(それまでにお産をした回数)や赤ちゃんの大きさによって差があります。週数が小さいほど、比較的早く進むことが多いとされます。処置を始めたその日の午後には分娩に至ることもあれば、翌日に持ち越すこともあります。分娩までの時間が延びれば、その分入院期間も延びることになります。

5. 経過観察

分娩のあとは、胎盤や子宮の中に残っているものがないかの確認、処置が必要なほどの出血がないかの確認をします。問題がなければ、2時間程度の経過観察のあと、分娩室から病室に戻ります。そのあとは、悪露(体から出る血液や分泌物)の状態の確認や、退院前の診察(内診・エコー)があります。

6. 退院

退院のタイミングや、そのあとのことについては、赤ちゃんを見送ると決めたあとの手続きにまとめています。

それでも、想定どおりにいかないことがあります

ここに書いたのは、あくまで一般的な流れです。実際には、思ったより早く進むことも、長くかかることもあります。予定と違うからといって、あなたや赤ちゃんに何か問題があるわけではありません。分からないこと、不安なことがあれば、そのつど医療者に聞いてください。

次に読む: 決断の前に、病院に聞いていいこと


出典: 入院期間・処置の進み方・分娩時の様子は助産師としての臨床知識に基づく。頸管拡張処置の所要日数・前回帝王切開後の分娩方法・無痛分娩(硬膜外麻酔)を選べる病院があることについては、産婦人科クリニック等の公開情報を参考に確認(2026-07-18。例:プラタナスクリニックの公開情報で、硬膜外麻酔による無痛の処置に追加費用がかかる旨の記載を直接確認)