title: “供養はどうする?——赤ちゃんを見送ったあとの選択肢を、中立に整理します” date: 2026-08-02 categories: [“omou”] hubs: [“decision”] tags: [“水子供養”, “供養”, “手元供養”, “散骨”, “命日”] summary: “検索すると、水子供養の業者ばかりが出てきて、かえって不安になることがあります。宗教的な正解はありません。選べる選択肢を、中立に整理しました。” image: “/images/article-main.jpg” medical: false sensitive: true reviewed: 2026-08-06 next: [] draft: false
「供養」で検索すると、お寺や業者の広告ばかりが出てきて、かえって不安になることがあります。「これをしないと、赤ちゃんが浮かばれない」というような言葉に、追い立てられる方もいると思います。
先にお伝えしておきたいのは、決まった正解はないということです。ここでは、宗教や特定の業者を勧めることなく、選べる選択肢を並べてお伝えします。
葬儀をするかしないか、退院から火葬までどう過ごすか、というお葬式などについては退院から火葬までの選択肢にまとめていますので、そちらもあわせてご覧ください。ここでは、そのあと——供養をどうするか、命日をどう迎えるか、という範囲をお伝えします。
供養をする、という選択
- お寺での水子供養……読経や法要をしてもらう形です。宗派によって考え方が異なるので、菩提寺(元々お付き合いのあるお寺)があれば、相談してみると安心です。ないのであれば、家の近くのお寺に、電話で相談してみることもできます
- 手元供養……お骨の一部を、小さな骨壷やペンダントなどに納めて、身近に置いておく形です。お墓や納骨堂を持たなくても、供養の形を持てます
- 自治体・病院での合同供養……多くの自治体や病院で、年に1回程度、周産期に赤ちゃんを見送った方向けの合同法要が行われています。個別の費用がかからず、他にも同じ経験をした方がいる場に身を置ける、という側面もあります
- 散骨……お骨を粉状にして、海などに撒く方法です。1991年の法務省見解により、節度をもって行えば法律違反にはあたらないとされています。専門の粉骨業者・散骨業者に依頼するのが一般的です。すべてを撒かず、一部は手元に残す、という併用の仕方もできます。自治体によっては散骨を規制する条例がある場合もあるので、個人で行いたい場合は事前に確認してください
供養という形を、あえて取らない、という選択
供養の儀式をしない、ということも、選択肢の一つです。
- お花を飾る、命日にろうそくを灯す、といった、宗教色のない形で気持ちを表す方もいます
- 何か特別なことをせず、ただ心の中で思い出す、という方もいます
供養の形を取らないことは、赤ちゃんを大切に思っていないことには、なりません。
「今は決めない」という選択
火葬した後のお骨は、すぐに供養先を決めなくても、しばらく手元に置いておくことができます。気持ちが整理されないまま、急いで場所を決める必要はありません。
数ヶ月、数年経ってから、気持ちが変わることもあります。最初は手元に置いていたけれど、後になってお寺に納めたくなった、ということも、その逆も、どちらも自然なことです。
知っておいてほしい、法律のこと
お骨をいつまでに埋葬しなければいけない、という期限はありません。何年経ってからでも、お墓に納めることができます。
ただし、火葬のときに発行される「埋葬許可証」は、大切に保管しておいてください。これがないと、お墓に納骨してもらえません。原本を紛失すると、再発行の手続きが必要になり、時間や手間がかかることがあります。心配な方は、念のため、お住まいの自治体に「もし紛失したら、再発行はできますか」と一度確認しておくと、安心材料になると思います。
また、お骨を自宅の庭などに埋めることは、法律(墓地、埋葬等に関する法律)で認められていません。手元に置いておくこと自体は問題ありませんが、「埋める」という行為は、決められた墓地でのみ行うことができます。
お骨をペンダントなどのアクセサリーに納めて、身につけて過ごすことは、法律違反にはあたりません。
業者選びで、気をつけてほしいこと
水子供養をうたう業者の中には、「供養しないと祟りがある」といった言葉で不安を煽り、高額な費用を請求してくるところがあります。これは、正しい供養のあり方ではありません。
もし、そういった不安を煽る言葉に出会ったら、その場で契約せず、一度離れて考えてください。菩提寺があれば、そちらに相談するのがいちばん安心です。ないのであれば、地域の仏教会や、自治体の窓口に相談する方法もあります。
命日について
赤ちゃんの命日は、亡くなった日、あるいは、あなたが「この日」と決めた日で構いません。毎年その日に何かをする方もいれば、特に何もせず、心の中だけで思い出す方もいます。
これも、決まったやり方はありません。あなたにとって、いちばん自然な形で、続けていってください。
私自身は、心拍が確認できなくなった日と、実際にこの世に出てきた日、どちらを命日にするか迷いましたが、最終的に「この世に出てきた日」を、ももの命日であり、誕生日ともしました。
余談ですが、供養についても、私自身は手元供養を選びました。水子供養もした方がいいのだろうか、と迷った時期もありましたが、夫が「供養するしないで、ももは俺らを恨んだりしないと思う」と言ってくれて、それもそうだな、と思えました。今も、お骨は家にあります。3ヶ月ほど経った頃、子どもたちに「ももちゃんのお墓を作ってあげたい?」と聞いたら「うん」と言ったのですが、「そうすると、ももちゃんのお骨がお家からいなくなっちゃうよ」と伝えたら、「やだー!」と却下されました。私も、手元に置いて、一緒に過ごしたかったので、意見が一致してほっとしました。……今のところ、それでいいのだと思っています。
出典:各宗派・自治体・医療機関の案内情報をもとに、選択肢を中立的に整理したものです。特定の宗教・事業者を推奨するものではありません。法律に関する記述は「墓地、埋葬等に関する法律」に基づきます。
