title: “職場にどこまで伝えるか——赤ちゃんを見送ったあと仕事を休むときの言い方の選択肢” date: 2026-08-02 categories: [“manabu”] hubs: [“decision”] tags: [“人工死産”, “中期中絶”, “産後休業”, “職場”, “伝え方”] summary: “休むための制度は分かった。でも、職場に何をどう伝えればいいのか——そこで止まってしまう方へ。伝える範囲は、あなたが選べます。” image: “/images/article-main.jpg” medical: false sensitive: true reviewed: 2026-08-06 next: [] draft: false
産後休業という制度があることは分かった。それでも、上司に何と言えばいいのか——そこで止まってしまうことがあると思います。
先にお伝えしたいのは、経緯を詳しく話す義務はないということです。伝える範囲は、あなたが選べます。
「産後休業」という言葉だけで、実は足りる
会社に休みを申請するとき、必要なのは診断の経緯でも、決断の理由でもありません。「産後休業を取得します」——法律上の言葉を、そのまま使うだけで足ります。
会社の担当者は、この言葉を聞けば、労働基準法上の休業だと理解できます。あなたから「なぜ」を説明する必要はありません。
伝える相手によって、深さを変えていい
同じ出来事でも、相手ごとに伝える深さを変えて構いません。
- 人事・総務など、手続きだけの相手……「産後休業を取得します」「妊娠は継続しませんでした」程度で十分です。制度の適用に必要な情報以上を、聞かれる筋合いはありません
- 直属の上司……もう少し伝えたい場合は、「妊娠中に赤ちゃんを見送ることになりました」という言い方があります。経緯(自然にか、選んでか)まで踏み込む必要はありません
- 親しい同僚……ご自身が話したいと思うなら、もう少し詳しく話してもいいですし、話したくなければ、上司と同じ範囲に留めておいて構いません
どこまで話すかは、相手との関係と、あなた自身が話したい範囲で決めていいのです。
使える言い方の例
- 「妊娠中に赤ちゃんを見送ることになり、産後休業を取得します」
- 「体調の都合で、しばらくお休みをいただきます」(経緯には触れない)
- 「詳しい事情は、今はお伝えできる状態ではありません。制度上の産後休業として、お休みをいただきます」(踏み込んだ質問をかわす言い方)
どれも、嘘ではありません。事実の、どの部分を切り出して伝えるか、という選択です。
聞かれても、答えなくていい
「どうして」「何があったの」と聞かれることもあるかもしれません。そのとき、答える義務はありません。
- 「今は、お話しできる状態ではないので」
- 「詳しいことは、また落ち着いたら」
これらは、失礼な断り方ではありません。あなたの心を守るための、正当な言葉です。悪気のない質問に、いちいち心を削られる必要はないのです。
職場の話ではありませんが、私自身、保育園の先生に「原因は?」と聞かれたとき、本当に分からないことだったので、そのまま真面目に答えてしまいました。今思えば、「話せる状況にありません」と言ってもよかったのです。あのときの私は、その言葉を知りませんでした。だから、この記事を読んでいるあなたには、先に伝えておきたいのです。
書面で伝える、という選択肢もある
直接話すのがつらいときは、メールやメッセージで伝える方法もあります。声で伝えるより、相手の反応をその場で受け止めずに済むぶん、心の負担が軽くなることがあります。
「お伝えしたいことがあり、メールいたします」という一文から始めて、上記のような言葉を書面にする——それだけで十分に、必要な情報は伝わります。
次に読む: 赤ちゃんを見送ったあとも産休は取れます
出典:厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト」産前・産後の休業について(労働基準法第65条)。伝え方に関する内容は、法律上の義務ではなく、コミュニケーションの選択肢としてまとめたものです。
